雨は止んだが、空は曇り、地面は湿っていて、噴水も見られず、およそ華やかさに欠ける風景であった。
庭園に向かって歩き始めた。宮殿前の「水花壇」から階段を下ったところは、「ラトナの泉水」と花壇であった。
庭園 前方(西方向)に大運河(大水路)が見える |
中央の台座(1670年当時は岩で、1678年から1689年の再整備で大理石の置き換えられたとか)に据えられた「ラトナと4人の子供たち」の群像は大理石で造られている。
ラトナの泉水 ガスパールとバルタザール・マルシー作、1668-1671年 |
中央の芝生帯は「緑の絨毯」とも呼ばれる「王の散歩道」(幅40m、長さ335m)が延びていて、「アポロンの泉水」に至り、その先は、十字型の大運河(大水路)である。
王の散歩道・緑の絨毯 |
王の散歩道の両側(右:北側、左:南側)の庭園には、木立が縦線と高さで刈り揃えられていた。マップを見ると、木立は小道で幾何学的な様々な模様が描かれていて、それぞれ名前が付けられている。
北側の木立に入ることにして、「王太子の木立」の小道を進んで行ったところで、「フローラの泉水と4人の」()に出会った。南北に、それぞれ対になった2つの泉水があり、四季になぞられ、「フローラの泉水」は春を表すそうだ。
「フローラの泉水 チュビー作、1672-1677年 |
「戦車の乗ったアポロン」を表現する群像は、チュビーという人が1668~1670年に制作しヴェルサイユへ移したのち、翌年設置し鍍金を施したそうだ。大運河は、その直後から工事が始まったという(1668~1679年)。