4.印象主義の誕生
アルフレッド・シスレーAlfred Sisley(1839-1899)が氾濫後のポール・マルリの風景を描いた連作6点のうちの2点である。シスレーはイギリス人だそうで、「光と色彩豊かな都市や農村、河辺、田園などを生涯にかけて描き」、印象派を代表する画家である。
ポール・マルリは、セーヌ川沿いの村で、1876年雪解けの水があふれ洪水が起こったそうだ。
上:ポール・マルリの洪水 下:ポール・マルリの洪水と小舟 アルフレッド・シスレー 1876年 |
アルジャントゥイユのひなげしCoquelicots a Argenteuil クロード・モネClaude Monet(1840-1926)
印象派の代表作と言われる作品です。土手を下る親子は、モネの妻カミーユと息子ジャンという話、土手の上にも親子の姿が描かれているがこちらにもモデルがあるそうだ。
アルジャントゥイユは、パリの北西、セーヌ河右岸の街という。
アルジャントゥユのひなげし クロード・モネ 1873年 |
この作品は、1882年3月の印象派展に画家が出展した34点の一つだそうで、「その完成度と探求的表現は、この時期の作品の中でも特に重要視されている。」という。
羊飼いLa Bergere カミーユ・ピサロ 1881年 |
床の鉋かけ(床削り、床に鉋をかける人々とも) Les Raboteteurs de parquet ギュスターブ・カイユボットGustave Caillebotte(1848-1894年)
カイユボットはブルジョア階級の人だったそうで、そういう人が下層階級の労働者が働く姿をやや下向きの目線で描いたことも当時は非常に珍しかったようだ。同じテーマの作品がもう一つあるという。
床の鉋かけ ギュスターブ・カイユボット 1875年 |
シャヴァンヌ は象徴主義の巨匠と呼ばれている。ある美術史家によれば、象徴派の作品はある何かを暗示(象徴)しているということだが、この「絵が暗示しているもの」は何かと問い、「ルカによる福音書」第4章に書かれた、イエスと漁師のシモンが対話する場面を引用している。
貧しき漁師 シャバンヌ 1881年 |
髪長き水浴の乙女 Baigneuse aux cheveux longs ピエール・オーギュスト・ルノアール Pierre Auguste Renoir(1841-1919)
「特に枯渇時代後の1890年代後半から最晩年まで数多く手がけた『水浴の裸婦』を画題とした作品のひとつ」とされる。素晴らしい! この作品は、オランジュリー美術館の収蔵品である。
髪長き水浴の乙女Baigneuse aux cheveux longs ピエール・オーギュスト・ルノアールPierre Auguste Renoir 1895年 |
この作品には、いくつかのエピソードがあるらしい。まず、中央のファゴットやその左後ろのチェロの奏者は画家の友人で、彼らの紹介で画家はしばしばオペラ座に通うようになったことが知られているそうだ。また、後景にチュチュ(バレエで身に着ける襞のついた衣服)を着けた踊り子の下半身が描かれているが、チュチュを着けた踊り子を描いた初めての作品ということだ。
オペラ座のオーケストラ エドガー・ドガ 18 |