2017年5月14日日曜日

独仏伊一人旅(32) 6月1日(水)夜 オペラ・ガル二エ King Lear

パリへ戻る列車に乗ったところ満員でしばらく立っていたが、席が空いたので座った途端に眠ってしまった。途中乗り換えるInvalides駅を通り過ぎ、結局、パリ市の南西部を一周してヴェルサイユChantiers駅に戻ってきた。次の列車までの待ち時間を合わせると1時間半以上を無駄にしてしまった。
Versailles Chantiers駅
メトロ・オペラ駅に着いたのは8時前、一旦ホテルに戻り着替えてからオペラ・ガル二エに向かった。お客の姿はなく、すでに入場済だった。案内の男に導かれて4階に上り、席についた。

上演されていたのは「リア王King Lear」。このタイトルに興味を引かれてチケットを入手した。シェークスピアの良く知られたこの悲劇は、1605年下半期から1606年の間にドラマとして初演されたというが、オペラとして作曲されたのは、1978年、アリベルト・ライマンによってで、非常に新しいことが分かった。従って、古典風ではなく、現代風に作られていた。

ドイツ語の上演であったためか、舞台上部にフランス語と英語の字幕が映されていた。恥ずかしいことながら、ストーリーがどのように進んでいるか、いま何の歌が歌われ、演じられているのかさっぱりわからないまま、激しい言葉と演技の展開、オーケストラの演奏に目と耳が引き付けられた。

場内風景
幕間の場内(1)
幕間の風景(2)
天井画「夢の花束」は、1964年、シャガールは時の文化大臣アンドレ・マルローの依頼を受けて製作したもので、オペラ座が完成してから89年後のことだという。絵が5つの色(赤、白、緑、青、黄)に分けられ、14人の音楽家とオペラ・バレー作品、パリの風景が描かれ、さらに、中央内側の小さい円のなかにも4人の作曲家とその作品が描かれているそうだ。
天井画「夢の花束」シャガール 1964年
主演した男性歌手は、レイア王がバリトンのほか、バリトンバス、テノール、カウンタテノール、女性歌手は3人ともソプラノで、11人の衣装をみればわかるように、全く現代風オペラであった。リア王に扮したバリトンは、ボー・スコバスBo Skovhus(54歳)、デンマーク人だそうだ。

外へ出ると、雨が降っていた。遅い夕食をパリ初日に入ったレストランで食べてから、ホテルに戻った。今夜は、ヴェルサイユ宮殿と庭園での歩き疲れで、早く眠れそうだ。明日は、パリ最後の日、ノルマンディ上陸海岸を訪ねる予定、天気の回復を祈った。

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