今回の旅の最終日、ローマで見残した2か所、パンテオンとナヴォーナ広場を訪ねた。地下鉄A線テルミニ駅から2つ目のバルベリーニ駅で降り、地図を頼りに歩き始めた。コルソ通りまで来たが、パンテオンへの道を間違うなど時間と足を無駄にしながら何とか辿り着いた。
パンテオンPantheon-Basilica Di S.Maria Ad Martyresはマルス広場に建てられた世界最大の石造り建築である。
初代のパンテオンは、紀元前27年に初代皇帝アウグストゥスの側近と言われたアグリッパによって建造されたが、その後火事で焼失したため紀元118年から128年にかけてハドリアヌス帝によって再建されたそうだ。後部の円堂は、高さ、直径ともに43.2m、壁の厚さは6mもある世界最大の石造り建築であるという。
ドームの頂上部分には、オクルスoculus(ラテン語)と言われる開口部が造られている。
入り口・前廊の列柱は、長さ13m、16本の大理石の石柱である。
建設に関し様々なエピソードがあるらしい。例えば、当初はアウグストゥスを奉ることを予定していたが、市民の反発を避けるため、万神殿に変更されたという。7世紀初頭(608年)にキリスト教の聖堂バジリカになり、現在に至っているそうだ。
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パンテオンの全景 |
入り口・前廊
Pronaos 出入りする人々と比べると、高さがよくわかる。
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入り口 |
入り口・前廊 天井を仰ぐと、屋根を支える木組みが見られた。
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入り口の天井屋根を支える木組み |
円堂内は、案内板(下図)によれば、入り口から右回り(時計と反対周り)に、7つの礼拝堂と祭壇が円堂を穿つように設置されている。
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パンテオン内部の配置図 |
ドームの開口部オクルス ドームの中央頂上はオク歯ルス(開口部)となっていて、陽が直接差し込んでいた。開口部の直径は約9m、窓や戸がないため雨が降り込む。そこで、そうした時は内部の床のその部分が立ち入り禁止となるそうだ。
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オクルス(開口部) |
第2礼拝室(6) 初代イタリア王ヴィットリオ・エマニュエーレ2世の墓
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初代イタリア王の墓 |
第3礼拝室(8) 温和な聖母マリアの礼拝室
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温和な聖母マリアの礼拝室 |
第4礼拝室(10) 主祭壇 入り口から入って正面の位置にある。
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礼拝室 |
第6礼拝室(14) 第2代イタリア王ウンベルトⅠ世とその妻の墓
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礼拝堂 |
内部から見た入り口
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内部から見た入り口 |
最後に外周を東側から回ってみた。パンテオンは北向きに建てられていて、東面・南面・西面の写真4枚を紹介しておく。
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北側から見た東側面 |
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東側から見た背面(南側) |
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西側から見た背面(南側) |
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北側から見た西面 |
【余談】パンテオンを古代ローマに遡る遺産とみるか、7世紀に始まるキリスト教の聖堂Basilicaとみるかで見方がわかれる。僕は前者の見方で訪ねたが、教会としての印象が強く残った。
つぎにナヴォーナ広場に向かった。
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