2015年9月19日土曜日

ドイツ・ポーランド一人旅(15) 5月29日(金)午後 ペルガモン博物館(4) イスラムの祭壇


 次に紹介したいのは、祈りの場所the Prayer niche(mihrabミフラーブ)と言われるものです。

 左側は、イランのカーシャーンKashanにあったthe Maiden Mosqueに由来するものだそうで、1226年の日付があり、イスラム石ペースト、光沢のある装飾、青とトルコ石のガラスなどを使って描かれています。高さ2.8m。

 右側は、トルコのコンヤKonya(中央アナトリア地方の都市)にあったthe Beyhekim Mosqueに由来する14世紀後期ごろのもので、全体が青色を基調として陶製モザイクで表現されています。イスラムの書法による装飾的な文字、様々な花とつたの模様が鮮やかでした。高さ3.95m、横幅2.8m。
Prayer niche from the Maiden Mosque 1226年
Prayer niche from the Beyhekim Mosque 14世紀
【余談】 仏教のお寺には仏像が安置され、その仏像に向かって、お経を唱えたり、願い事をしますが、偶像を崇拝することが禁じられているイスラム教のモスクには、これらのミフラーブが設けられていたことがわかりました。いずれも聖地メッカに向かって礼拝する位置に設置されていたということです。アラビア文字の書道と言い、1000年からの歴史を持っています。数年前、東京ビッグサイトで開かれていた国際ブックフェアにおいて、その書道家が描くところを見たことが思い出されました。

 最後に、もう一つ紹介したいものがこれです。図録によれば、14世紀の早い時期にグラナダのアルハンブラ宮殿にあったもので、西洋杉とポプラに様々文様が彫り込まれ、また、部分的に描かれているそうです。見上げるとその技法の巧みさに驚ろかされます。1.90×3.55×3.55m。
アルハンブラ宮殿に由来するドーム型天井 
【余談】 この天井は、19世紀にドイツの銀行家がスペイン王室からアルハンブラ宮殿の様々なもの取得し所蔵していたなかから、”the Torre de las Damas"をグラナダ市へ寄贈した時に、それと引き換えに贈られたものとか。1978年、銀行家の一族のコレクションから、博物館に帰属したという歴史があります。ともあれ、非常に豪奢な感じがしました。

※図録 2012年第2版(英語版)@Prestel Verlag 9.95€

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