※( )は、「ベルサイユ見学」(VISITER VERSAILLES、図録、日本語版、15€)による。以下の記述は、この図録を参考にした。
北翼に入って進むと、王宮礼拝堂に至った。ルイ14世の時代、1689年に始まった礼拝堂工事は1710年に完成したという。図録には「王は、1710年から1789年まで、彼が聖体を授ける大きな宗教行事、聖霊騎士団の式典、子女の洗礼・婚姻にためだけそこへ降りた。」と書かれている。白の大理石と金色に塗られた部分の対比が鮮やかで、失礼ながら、これが宗教施設かといぶかしく思われた。
北翼に入って進むと、王宮礼拝堂に至った。ルイ14世の時代、1689年に始まった礼拝堂工事は1710年に完成したという。図録には「王は、1710年から1789年まで、彼が聖体を授ける大きな宗教行事、聖霊騎士団の式典、子女の洗礼・婚姻にためだけそこへ降りた。」と書かれている。白の大理石と金色に塗られた部分の対比が鮮やかで、失礼ながら、これが宗教施設かといぶかしく思われた。
1階、王室礼拝堂 |
ヘラクレスの間
1712年、壁に掛けられた絵は、パオロ・カリアリ(通称ヴェロネーゼ)の「パリサイ人シモン家の食事」(1570年、494cm×974cm)という大きな作品だ。
あるブログによると、中央右寄りにイエス、背中を見せる男はこの家の主人シモン、足もとでイエスの足を香油で拭く女はマグダラのマリアだそうだ。
「パリサイ人シモン家の食事」ヴェロネーゼ 1570 |
天井画「ヘラクレスの神格化」 フランソア・ルモワーヌ 1736年 |
天井画に描かれた女神ヴィーナスの名前が居間の名称になっている。
この絵は、太陽神話に関連する惑星、金星が古代ギリシャでこの星と一体だった愛の女神の姿で描かれたものだという。
天井画「神々と強大国を従わせるヴィーナス」ウァッス |
ヴィーナスの間と同じように、王の大居室の玄関として使用された部屋で、ディアーヌは古代ギリシャの狩りの女神で、太陽神アポロンの妹ということだ。ルイ14世が狩猟好きであったことを示唆している。
暖炉のうえの次の絵画は、ギリシャ神話に由来するもので、中央に描かれているのが王女イフィゲネイア、右上が狩りの女神アルテミス、父王アガメムノンの失言から、王女が女神の鹿に代わって生贄になるという悲劇の場面を描いているそうだ。女神の足元に、大きなナイフが置かれている。
「イフィゲネイアの犠牲」 シャルル・ド・フォッス |
ディアーヌの間に続いて、マルス(火星)の間に進んだ。マルスは、また戦いの神ともいわれ、部屋の装飾が軍を題材にしていることから「衛兵の間」と呼ばれていたこともあり、次いで夜音楽とダンスのために使われるようになりと「舞踏会の間」と呼ばれるようになったそうだ。非常に大きい部屋だ。
中央の暖炉上に飾られていたのは、騎乗のルイ14世を描いた絵画である。
「騎乗のルイ14世」 |
天井画「オオカミに引かれた戦車に乗るマルス」 クロード・オードラン |
メルクリウスMercurius(英語読みMercury)は、ローマ神話で、商人や旅人の守護神という。
元々、儀式用寝室ということで、立派なベッドがあった。宮殿が博物館になった当時(1837年)、ルイ・フィリップが置いたものという。もっとも、寝室として使われたことは少なかったようだ。
王の寝台 |
天井画「2羽の雄鶏が引く戦車に乗ったメルクリウス」 |
アポロンの間
7番目の部屋がアポロンの間だ。太陽、芸術と平和の神に献じられたといい、最も豪華なもので、金が惜しみなく施されたそうだ。
天井画は、シャルル・ド・ラ・フォッス作の「四季が随行する4頭の馬に引かれた戦車に乗ったアポロン」である。
「四季が随行する4頭の馬に引かれた戦車に乗ったアポロン」 |
0 件のコメント:
コメントを投稿