タペストリーを両側に展示した通廊である。昼過ぎで、多くの人たちが見学していた。
タペストリーのギャラリー |
取り上げられたテーマが何ともすさまじい。キリストをめぐる歴史の一コマ…マタイによる福音書など聖書に取り上げられた幼児虐殺のエピソードを織ったタペストリーで、ベルギーのブリュッセルにおいて1524-1531年ごろに織られたのものだそうだ。
幼児虐殺 ブリュッセル 1524‐1531年 |
Justice Faith(Relesion),Charity 正義の信仰(宗教)と慈悲
このタペストリーは、クレメント8世の勲章の装飾カバー Ornamental Cover of the throne of Clement Ⅷで、1523‐1534年に、ブリュッセルの作業場で織られたものだそうだ。横465cm、縦532cmと、大きい。2頭のライオンは「正義の信仰(宗教)と慈悲」を語っているという。
クレメント8世の勲章の装飾カバー ブリュッセル |
6.地図のギャラリー Galleria delle Carte Geografiche
このギャラリーの天井画は絢爛豪華ということばが当てはまるほど、金色に輝いていた。天井画には「下の壁に描かれた地方と関係のある教会の歴史の重要なエピソードが表されている」そうだ。壁には、イタリヤ半島の都市や農村の地図が北から南へ展示してあった。向かって右側にはアドリア海側、左側にはティレニア海側の地図が展示されていたそうだ。
地図のギャラリー 金色に輝く天井画 |
多数の地図が展示されていた中で、ローマ市の部分を拡大して描いた地図を紹介しよう。左下にローマ市の部分が描かれたこの地図は、1900年に入って、16世紀の大宇宙家イニャツィオ・ダンティ Ignazio Dantiの地図を下書きにして描かれたらしい。
ラティウムとサビーナ(ラティオ南部)、ローマ市 |
7.ソビェスキの間 Sala Sobieski
長い地図のギャラリーを通リ抜けて出会ったのがソビェスキの間だ。壁には、ポーランド王ポーランド王ヤン3世ソビェスキをヤン・マテイコが描いた大きな絵が掛かっていたが、この部屋の名前の由来でもある
ポーランド王ヤン3世ソヴェス ヤン・マテイコキ |
【余談】ポーランド王ヤン3世ソヴェスキは、1683年にウィーンでトルコ軍を破ったことで知られているらしい。ヤン・マテイコ(1838-1893年)は、ポーランドの著名な画家である。以前、ポーランドを旅行した折に、この画家の作品を見たことがある。