2017年2月10日金曜日

独仏伊一人旅(23) 5月31日(火)午後 オルセー美術館 絵画3

5.近代芸術の到来

青の睡蓮

クロード・モネ(1840-1926)が、1983年から住んでいるジヴェルニーの住居に作った、水庭園に植えた睡蓮の連作を描き始めたのは1897年、以来30年かけて仕上げた作品は200点あるという。
青い睡蓮 クロード・モネ 1916-1919年頃
6.後期印象主義

自画像

ゴッホの部屋(2階)で、まず目についたのがこの作品で、生涯で数多く残した自画像の一つである。画家は、「身体的精神的変化」を刻み、自分のアイデンティティーを問い続けた。
自画像 フィンセント・ファン・ゴッホ 1889年
星月夜La Nuit etoilee

この作品は、南仏アルルのローヌ河の左岸から、ガス灯に照らされた街を描いているそうだ。ゴッホは、1886年から1890年に自死するまで、パリで過ごしたらしいが、見学案内には、「極めて密度の濃い創作と限りなく辛いノイローゼの時期を過ごした。アルルで南の混じりけのない光に驚愕し、『ここでは自然は色を作るために必要なものだと、確信している』と述べた。」といい、「その妄想の一つは、逆説的に、夜の眺めの輝きを把握する欲求であった」と書かれている。
星月夜 フィンセント・ファン・ゴッホ 1888年
 【余談】ゴッホには、星月夜‐糸杉と村(1889年)と呼ばれる作品があり、ニューヨーク近代美術館に展示されている。

 子午線La Merideienne、または昼寝Ls Siesteと呼ばれるこの作品を見て、これがゴッホの絵かと思った。これは、ミレーの絵を模写したもので、左右が入れ替わっているそうだ。
子午線La Merideienne、または昼寝Ls Sieste フィンセント・ファン・ゴッホ 1889年
【余談】 ゴッホの模写作品は30点ほどあり、その中に、浮世絵を模写した作品があるという。

アレアレアArearea(愉び、ポリネシア語)

次に紹介するのは、ポール・ゴーギャンPaul Gauguin(1848‐1903)の作品である。ゴーギャンは、1891年4月から1893年6月までタヒチに滞在した(第1次滞在)が、この作品は、その間に制作されている。ある作品解説によると、「この絵に描かれたような光景はどこにも存在しない…。タヒチでのゴーギャンの作品は、実際の島の様子を描いたものではなく、彼が頭の中で創り上げたタヒチのイメージを描いたものなのです。」ということだ。
アレアレア ポール・ゴーギャン 1892年
オルセー美術館での鑑賞はこれくらいで切り上げ、記念品を買ってから、外へ出た。つぎに向かったところはエッフェル塔である。雨が降り続くなか傘をさしてひたすら歩いた。



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