2014年12月6日土曜日

2014アメリカ一人旅 【ワシントン第4日 2/3】 リンカーン記念館  

リンカーン記念館 正面
空が曇り辺りがうす暗くなったので、正面へ急いだ。大勢の人が見物に訪れていた。階段を上り、内部に入るころには、にわか雨が降りだした。

 記念館(記念堂とも)は、ヘンリー・ベーコンという建築家が考案したギリシャ神殿に見られるドーリア式と言う建築様式の荘重な建物だ。東の正面と西の背面に各12本、南側と北側に各6本、合計36本の円柱に囲まれている。1本の石柱の長さは33フィート(約10m)、円周は大人5人が手を伸ばしても抱えられないくらいということだ。36という数はリンカーン大統領が亡くなった時点の州の数という。円柱上部部分(古代建築でエンタブラチュアと言われるらしい)にこれらの州の名前が彫り込まれている(写真を拡大してみるとよい)。


 記念館は、ナショナル・モールの西端にある。柱廊(ポルティコ)を左から回った。西の背面からは、アーリントンから渡ってきたポトマック川とその遥か向こうに墓地が望まれた。雨が降り続いていたが、柱廊の中までは降り込んでこなかった。

リンカーン坐像
 内部は神殿内部(ケラ)に相当し、巨大なリンカーンの坐像が据えられていた。像の高さと横幅はともに19フィート(5.8m)で同じだそうだ。彼の手の下方、椅子の両端には、ローマ帝国の執政官の権威の象徴とされる束桿(ファスケス)が彫り込まれているということだが、気付かなかった。
 
【余談】 坐像は、ダニエル・チェスター・フレンチという彫刻家のデザインによるもので、ピシリーリ兄弟が彫刻したという。使われた大理石はジョージア大理石28個の石塊である。

 1922年3月20日、第29代大統領ウォーレン・G・ハーディングの手で除幕式が行われたということだ。
リンカーン記念堂から見たワシントン記念塔
雨がなかなか止まなかったため、他の観光客に倣って柱廊正面に座り込んで待つことにした。腹が空いてきたが、雨には勝てず我慢していると、空が明るくなり前方のワシントン記念塔に虹がかかったように見えた。人々が立ち上がり、階段を下って行った。

 空が明るんだとき、ワシントン記念塔の手前、第2次世界大戦記念碑をまたいで伸びている非常に長いリフレクティング・プールLincorn Merorial Reflecting Poolに、小金色に輝いた記念塔が反射しているのが見えた。

 プールは500mくらいあるのではないかと思ったが、それより長く618m、横幅は51m、深さは端部で18cm、中央部で30cmだそうだ。

 北側と南側に樹々が生い茂り、帯のように連なっていた。プールの北端を歩いて記念塔に向かって進んでいくと、硬貨が投げ込まれているのが見えたが、魚は泳いでいなかった。不思議なことと思いながら、そのように管理しているのだろうと考えた。

【余談】 モールの東端、連邦議事堂の前、ユリシーズ・S・グラント将軍(第18代大統領)の騎馬像が見下ろすところに、キャピタル・リフレクティング・プールが拡がっている。植物庭園の前で見たプールがこれである。


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