議事堂は、左右(南北)の上院と下院、中央のドーム形の建物から成り立っている。東正面のそれぞれの入り口までは何段もの階段がある。
【余談) 階段の下が議員やそのスタッフ用の車寄せになっている。彼らが階段を上り下りするのはどういう時なのか、興味がそそられた。
ここでは、警官の姿が僅かに見られたが、厳しく見張っているというような感じはしなかった。
下院の玄関 三角形の切り妻壁 |
〔1〕 まず、下院は、"The Apotheosis of Democracy"と名付けられた大理石の人物像で、3つのグループに分けられている。1913年に据え付けられたという。
中央: ”Peace Protecting Genius"
左側: ”The Power of Labor:Agriculture"
右側: ”The Power of Labor:Industry"
【余談】 "The Apotheosis of Democracy”の意味は、民主主義の理想像ということなのか。そう理解すると、下院の象徴としてうなづける。
ブロンズ像 3角形の切り妻壁 |
ドームの下の三角形の切り妻壁には、"Genius of America”と言われる大理石の人物像が3体設置されている。
中央: "America"、USAと刻まれた盾を持っている。
左側: "Justice"、左手に天秤計りを持ち、右手にアメリカ合衆国憲法典を記した巻物を握っている。
右側: "Hope"、錨を抱えている。
ちなみに、アメリカ合衆国憲法草案は、1787年9月17日、フィラデルフィア憲法制定会議において完成、9つの州の批准で発効と決めた。9番目の批准は、ニューハンプシャー州で、1788年6月21日。当時の13州すべての批准が完了するのは1790年5月29日である。この新憲法のもとで新政府が動き始めるのは、1789年3月4日である(ウィキペディアによる)。
【余談】 この切り妻の像は、当初(1828年)は砂岩に刻まれたが、1958-62年に議事堂の東前面が拡張されたときに新たに大理石で彫刻されたとのことである。アメリカの理想像が、"Justice"であり、"Hope"であることを表しているのだろうか。
階段の辺りに複数の警察官がいたが、あまり緊張感はないように見えた。日曜日の昼前、訪れる観光客や親子連れ、男女の姿は少なかった。空は透き通るように青く、強い日差しが照り付けていた。
【余談】 ワシントンを訪ねた日から4か月、今、この国を始め、多くの国々が戦争の危機に直面している。そうした状況のもとで、議事堂周辺も緊張感に包まれているのであろうか。
上院 3角形の切り妻壁 |
〔3〕 続いて、上院の三角形の切り妻壁を見てみよう。1863年に据え付けられた人物像は、"The Progress of Civilization"と名付けられている。
中央: アメリカを象徴する鷹を従えた女性像がある。
右側: アメリカの早い時代の狩猟民やインディアンの像である。
左側: 兵士、商人、教師、学生のグループが行進している。
【余談】 上院、下院、中央の三角形の切り妻壁に置かれた大理石や鋳鉄製の像は、アメリカ合衆国の成り立ちと根本を物語っている。地上に立って見ているとこうした由来を知ることは難しい。案内板の説明は、簡潔ながらよくできていると思った。
議事堂の西正面に回り、次の目的地に進むことにした。
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